YSPの日常「新基準原付」って何?

新基準原付 って?

先日ヤマハ発動機から発表されたヤマハ初の「 新基準原付 」である JOG ONE

そもそも新基準原付って何?という方も多いのではないでしょうか。

普通の原付と何が違うの?見た目がほぼ全く同じ「JOG125 」との違いは?

その辺りを少し掘り下げて説明していきたいと思います。

新基準原付

新基準原付とは何か?その定義としては以下の通り。

「総排気量50cc超125cc未満、かつ最高出力が4.0kW以下のバイク」

上記の条件に合致する車両については従来の50cc未満のバイクと同様「原付免許(普通自動車免許)」で運転できるようになった…というのが昨年4月のお話です。

従来は出力に関係なく50ccを超えれば「原付二種」として扱われ「小型二輪免許」が必要でした。

それが「最高出力が一定以下なら125ccまでは原付扱いで良いよ」となったワケですね。

因みに原付扱いということで、時速30kmの速度制限や二段階右折の必要、二人乗りが禁止されている点についても原付と同様です

「 JOG ONE 」と「JOG125」

JOG ONE とJOG125を並べてみると見た目はほぼ全く同じ。

どちらも125ccのエンジンを搭載していて車体のサイズも同じ。何なら車体重量も同じ95kg。

同じ排気量で、同じ重さ、見た目も「ほぼ」同じ。ですがJOG125は「原付二種」JOG ONEは「新基準原付」です

JOG ONEには「原付二種」であることを表すフロントフェンダーのラインとリアフェンダーの三角マークが無いこと、そして二人乗り用の装備であるタンデムステップが無くなっており、シートも一人掛け用に形状変更されているのが外観上からわかりますね。

JOG ONE は JOG125の原付免許版

ほぼ同じ見た目を持つJOG ONEとJOG125の2台ですが、JOG ONEは「新基準原付」なので原付免許あるいは普通自動車免許で運転が可能な点が最大の違いです。

対してJOG125は通常の「原付二種」扱いの為運転には「小型二輪免許」以上の二輪免許が必須です。

従来の原付(50cc)の最大の魅力は「安価かつ1日で取得できる原付免許」「多くの人が取得する普通自動車免許」で運転できるという敷居の低さ。それと同様に低い敷居で多くの人が乗れるのが「新基準原付」であり「 JOG ONE 」です。

そもそもなぜ「新基準原付」が必要なの?

そもそも何故、従来の50ccではなくわざわざ「新基準原付」という仕組みを設けてまで50cc超の排気量で作る必要があったのでしょうか。

それは大前提として「50ccが無くなってしまう」ということが大きな要因です。

昨今の環境規制や安全規制、その他諸々の事情によってバイクの製造コストは増加しているし、その影響で車両価格も上昇しています。厳しい環境規制を技術面とコスト面を両立させつつクリアすることは最早困難になりつつあります。

50ccの原付といえど例外ではありません。というか50cc原付自体がほとんど日本の独自規格に等しい存在なので猶更あおりを受けたとさえ言えますね。

50ccという排気量。実はガラパゴス

ご存じの方も多いかもしれませんが、海外ではコミューターといえば90~155cc辺りの排気量が一般的です。東南アジア地域など、現在バイク販売が好調なエリアでも110cc程度のコミューターがメインストリーム。

我々が当たり前のように感じている50ccという排気量は、実は世界的にもかなり限られた存在であり、その分市場規模が小さいのが実情だったりします。

日本国内でこそ50cc未満の原付が占める販売台数の割合は二輪車全体の2~3割を占めてはいますが、二輪車販売台数自体1980年代以降下落の一途。現在の50cc原付の販売台数は1990年代と比べても約十分の一まで少なくなっています。

販売台数が少ないということは大量生産によるスケールメリットを得ることができません。つまりコストをかけて頑張って50ccを作り続けても費用の回収が難しいというコト。

しかし、だからと言って現在あらゆる場面で使用されている「原付」を突然無くすわけにもいきません。郵便局やその他の配達業などのビジネスシーンだけでなく、一般ユーザーにとっても敷居の低い軽便な移動体として重宝されているワケですからね。

そこで既存の125ccをベースに、一定の条件を設けることで従来の原付と同様に原付免許で乗ることを可能とする「新基準原付」が設けられたというワケです。

グローバルに販売されている125ccクラスをベースにすれば、そうしたコスト面の問題はある程度緩和することができます。当然「新基準原付」仕様にする以上コストは発生しますが、多くの部品をグローバルモデルと共用できるので個別で50ccを生産し続けるのと比べればメリットが勝るでしょう。

・・・なんだか国やメーカーの事情に振り回されて、ユーザーの気持ちが置いてけぼりになっている感は否めませんが、兎も角日本に根差した「原付」という乗り物を守るための打開策として「新基準原付」が生まれたのです。

「新基準原付」は今後のスタンダードになるか

消えゆく50ccの原付に代わる存在として生み出された新基準原付ですが、50cc原付の代替候補は何もそれだけじゃありません。

代表例はBEV(電動)ですね

ヤマハでいえばe-VinoJOG-Eのように、ガソリンではなく電気とモーターで走るスクーター。

電動なので排ガスが出ず音も静かという周辺環境への負担が少ないのがEVのいいところです。

一方で、1充電で走れる距離がやや短いこと、そして充電に時間を要することがデメリットとして挙げられます。

ガソリン車の場合、給油すればほんのちょっとの時間で燃料満タン。EVほど航続距離の心配がいらないですし、いざという時の給油時間も短く済みます。

このあたりはEVとガソリン車、どちらにも得手不得手があるということですね。

環境に良く、比較的軽くてコンパクトなEV航続距離が長く電欠の心配のないガソリン車

どちらが優れていると一概に言えるものでもないでしょうし、各々のユーザーがぃ分の使い方に合わせてEVと新基準原付という2つの「原付」から選んでいただくことになるのではないでしょうか。